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気持ちは穏やかで | 2004年04月23日(金) |
ローマの生活は早くも10日足らずになった。現状に満足はしていないが、これから慌ててすることも思いつかない。流れるままに時間を過ごし、このまま何となくローマから離れることになるだろう。ニューヨークのアパートは"Lower East Side"に近い"East Village"エリア。今回は"Queens" や"Brooklyn"あたりにと思っていたが、迷った結果、マンハッタン内に治まった。3年前に世話になった仲介業者とメールのやりとりを繰り返し、既に4月初旬に契約済。ニューヨークに関しては、ある程度の土地勘があるので、場所と間取りの写真で決めてしまった。行動範囲や犬連れも考慮に入れて、歩ける範囲で通常生活が出来るようにしたつもりだが、実際に見てみなければ分からないことも多いので少々の不安はある。しかし、とりあえず住む場所が確保されているのは心境的に心強い。ローマの生活は感覚的に仮住まいの域を出ることは無かったので、ニューヨークでも多くを期待しなければ大抵のことは楽しんでやり過ごせるだろう。なにしろ今は楽しみの方が大きい。 夜は大貫、横尾、岡田、鈴木、Salvadorと我々夫婦で食事。"スペイン広場"から23:00過ぎに大混雑している"トレビの泉"をかすめて徒歩で帰宅。あ、その前にSalvador/大貫夫妻と一杯飲む。大貫さんに"ALESSI"のエスプレッソメーカーを貰った。鈴木さんに貰った3cm高のミニ・コロッセオはなかなかイイ感じ。送別会みたいだ。 |
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MUSEI VATICANI | 2004年04月22日(木) |
今日も晴天。復活祭を過ぎて人出が落ち着いた平日。並ばずに入れるバティカン美術館へ。展示はそこそこに中庭で日焼け。館内の食堂で昼食を取って、再びのんびり美術観賞。バティカンを出た後、"Barberini"から"S.Maria D.Vitoria" 、"Quattoro Fontane"、"S.Andrea al Quirinale"でベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini 1598~1680)彫刻を観賞。 宗教と信仰がいかに人を動かしたか、改めて考える。 戦争も起こす。 アカデミックな気分の1日。 |
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ローマも夏日 | 2004年04月21日(水) |
東京は夏日が続いているそうだ。昨日からローマも快晴。午前中は気持ちいい天候だったが、強い日差しで午後から気温はぐんぐん上がり、日向では汗ばむほどの暑さを感じた。 日中、遠回りして散歩。芝生やベンチで横になり日焼けする人の姿も見えた。 "Tverna Romana"で少し遅い昼食。赤ワインを1本空け、"Foro Romano"をかすめて"Piazza Venezia"から"Piazza Cmpo dei Fiori"、"Piazza Navona"、"Pantheon"まで徒歩でぶらぶら。ジリジリ照りつける日差しを積極的に浴びながら、ローマ散策を復習するように夕暮れまで歩いた。 今月はイラク駐留米軍の死者が既に100人を越えたそうだ。イラク撤退を決めたスペイン軍に習うかたちで退く国もいくつかある様子で、イラク統括は前途多難。 ベネチア広場で見かけた"Vittoriano"の衛兵交代が妙に印象に残った。 |
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AUDITORIUM(再) | 2004年04月20日(火) |
快晴、散歩はTシャツで。 空気はカラッとしていてそれほど暑さは感じないが、犬が舌を出して歩く気温。普段は疲れを見せない豆蔵も暑さには弱い。反抗期(?)をやり過ごしつつある今、ストレス解消と服従心の向上のため、念入りにボール遊び。戦闘意欲がなくなるまで。結果は良好。くたくたになった豆蔵はおとなしく付いて歩くようになった。 天気が良いので、夕方から"AUDITORIUM" の撮影に出かけた。17:00でも日差しは強く空は青く明るい。改めて建物の裏側に回り込み、全景を確認する。メインの3つのホールは用途によって使い分けるためそれぞれ大きさが異なり、大中小のコガネムシが向き合って寄り添っている様に見える。内部空間と外観ののイメージが繋がりを持つのはもっともな話。屋根を含む外壁の曲面の構造材は全て木製で、日本のお寺や神社の屋根が持つ形態を逆に膨らませたようにも見える。表面材は銅板で既に酸化させて仕上げてあるが、数年後には緑青の表情が鮮やかに見えるかもしれない。ここまで造形的でも環境に対して存在が浮いていないのがスバラシイ。人は疎らでゆっくり撮影ができた。 そして、日向の屋外席でビール。気持ちいい。 |
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Yado Yukie Yokoo(再・・・) | 2004年04月19日(月) |
ニューヨークへの荷造りをイメージして冬物を片づける。捨てる。 「いかにシンプルに生活するか。」が最近のテーマになりつつあり、東京の生活では増え続けていた衣料や生活用品は帰ったら整理しようと考えている。 今回の移動では成田を発った時点の半分に荷物を抑えるのが目標。 13:00:アローナでは同じホテルに泊まりながら、結局会えなかったYUKIEさんと昼食会。"YADO YUKIE YOKOO"のキッチンでアーティチョークのローマ風にズッキーニのパスタは本場の味。ニューヨーク行き直前のよもやま話で時間が過ぎ、またまた夕食に突入。仕切直しでビールを買い込み、今度はホットプレートで「お好み焼き」。豚肉の回、イカの回で満腹、最後はジェラートで締めくくり。 宿泊もしていないのに毎度ご馳走になりっぱなし。斯くして、今後のローマ宿泊はここに確定。いつまでこの快適な状態が維持されるかが心配ではあるが、女将が居る限りは大丈夫なはず。あまり知られたくない独占欲とは裏腹に多くの人に知ってもらいたい絶対オススメの宿と人。 また豆蔵は留守番の1日。ゴメン。 |
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春本番で | 2004年04月18日(日) |
午前、じっくり時間をかけて散歩。 遠回りしてカラカラ浴場やアッピア街道付近まで足を延ばす。 多くの教会では結婚式が行われ、アンテナに白いリボンを付けた車が列を作っていた。コロッセオ付近では何組ものカップルがウエディングドレス姿で記念撮影をしている。 フォロロマーノやコロッセオでの新婚記念撮影はローマの「お約束」らしく、頻繁に見かける光景だが今日は特別に数が多い。新婦は純白のドレス、新郎の伊達男は恥ずかしげもなくポーズをとり、これがまた絵になってしまうので、皮肉の言葉も出てこない。あの、「やわらちゃん」と「谷選手」もわざわざローマで記念撮影したらしいが、そちらは絵になっていたのだろうか。 別件で何の企画か不明だが、コロッセオ周辺では古代ローマの騎士に扮した隊列がパレードをしていた。 おめでたい季節。 柔らかい日差しで、新緑は鮮やかさを増して見える。 ミラノから帰ったローマは暖かく、ほのぼのしていた。 |
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droog design | 2004年04月17日(土) |
今日もミラノ市内のデザイン探し。道すがら、ショップやギャラリーを覗きながら歩いた。 Via Giannoneには"droog design"がある。"SLOW"をテーマにした商品と食、ローコスト空間。モノクロコピーのカタログ。内容があればこれでいいんだなーと思えて勉強になった。環境は中国の用品店が多い地域で、決してあか抜けた場所では無いが、点々といい感じの店もあって粋な印象を受けた。周りが付いて来るくらいの存在ならこれも良し。 週末、天気も良くてサローネガイドブックを持って徘徊するひと多し。 ローマ行きのインターシティーは15:08発。ギリギリで駆け込んで一息。 作品やデザインの形態以外に、環境やプレゼンテーションについて考えさせられた3日間。理想のイメージを伝える作業にはそれなりの作戦が必要。理屈では解っていてもなかなか実行出来ない。妥協のない妥協も必要。 |
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FUORI SALONE MILANO | 2004年04月16日(金) |
期間中、ミラノ市内至る所で開かれる展示やイベントは見本市会場以外でも全て把握するのは不可能。小雨の中、掻い摘んで見たかった展示だけ見て回った。 まずは、ギャラリー"Marconi"で"Ron Arad"の新作を。さすが造形的な作品と完成度に感激。見せ方もシンプルでやっぱりアートなんだなーと思う。 "Spazio Krizia"では"Ingo Maurer"を観てさらに感動。単純に綺麗。LEDに不可能は無いのか。以外にやりすぎで余計な物もあったと思うが。 その他、"da driade"〜"Artemide"〜"Cassina"〜"B&B ITALIA" 等々・・。道すがら企画展示を覗きつつ時間が許すまで歩いた。 この環境で人の記憶に残り、かたちを残すのは並大抵ではない。期間後半には前評判では聞こえてこなかった展示が発掘されて評判になるのだろう。 人を集めるのは大変だ。なんだか人事ではない気がした。 |
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MILANO DESIGN WEEK | 2004年04月15日(木) |
見本市会場(FIERA MILANO)で開かれる"MILANO DESIGN WEEK"では世界各国の家具メーカーがブース展示をしている。他に"SATELLITE"と言われる会場には新進のデザイナーやユニットが個人出品する場があり、毎年ここでピックアップされたデザイナーは世界にはばたいていく。 見て刺激を得るにはこの会場がいちばん面白い。東京ではデザイナーの登竜門として数年前から各媒体がこぞって紹介し、インテリア流行のきっかけを作った。日本からの出品者数も過去最高らしいので、情報の威力を思い知らされる。このままサローネが権威を持ち続けても、来年度以降出品するには淘汰されていく作品の中でクオリティーと共にコミュニケーション能力が要求されるだろう。会場でただ作品展示するだけでは通用しない。「見せる力」も必要だ。 昨年から出品している"Polisite"の梶本氏に会場で会い食事をした。話を聞いて、予算を含め日本からの出品する苦労を垣間見た。 傍観する我々も自分に置き換えて、いろいろ思い浮かべることが出来て刺激になった。以外に遠い世界ではないことも同時に実感。デザインをアートとして認識。 そして、会場にいる日本人の多さに呆れた。 |
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ARONA | 2004年04月14日(水) |
ミラノサローネと言われる世界最大規模の家具見本市を視察するため、ミラノ郊外の街アローナ(ARONA)へ。豆蔵を含め3泊4日の小旅行。スイスとの国境マッジョレー湖に面した小さな街。サローネ期間中の宿泊をミラノ市内で確保することが困難だったため、友人を通してここにホテルを確保した。まずはローマからミラノまでインターシティーで移動し、さらにアローナへ。ミラノ市内からアローナまでは1時間ほど鉄道に乗る必要があるが、中途半端な田舎町より環境がいいし、メトロの移動に比べるとゆったり座って移動出来るのでストレスは全く感じない。 街は清潔、明るいイメージ。ホテルも快適そうでホッとする。 さっそく歩いた水辺は南とは違う気持ちよさがある。本来ならここでフライロッドを振るのが理想だが、いつか機会が持てることを信じて今回は我慢。 無難に食事を済ませ、ホテルでゆっくり過ごす。 |
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