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祝満室 | 2004年04月03日(土) |
川原さんの宿泊も含めスペインから来たグループ3組で、YUKIE/B&Bは満室の4日間。それぞれに時間を過ごした充実のローマ生活にYUKIEさんの企画で満室祝いの"和食パーティー"。「巻きずし」や「刺身」をはじめ、家庭的な味付けの和食がテーブルにずらりと並び、食器の配列も含め居心地満点の会食空間。我々もご相伴に与って陽気な和食三昧の夜を過ごした。どうやらお金持ちらしいスペイングループが用意した飲み物は全てシャンパン。食後はレモンXXXで、最後にちょっと日本酒。最近作ったカタログとPowerBookを持ち込み、一通りのプレゼンテーションで話題を繋ぐ。全てカタコトの英語とイタリア語、そしてスペイン語。だいたい日本語も不得意なのに、分かった様な顔をして乗り切った。ま、楽しいからイイか? かなりその気で取り組まないと付いていけない「乗り」に遭遇したのは久しぶり。 何事も勉強、ベンキョウ。 |
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桜 | 2004年04月02日(金) |
小さな桜の木を見つけた。 種類は解らないが東京で見慣れたタイプなので、「ソメイヨシノ?」かも。イタリアでの呼び名はCiliegio。満開のタイミングは日本(関東)とほぼ同時期だったようだ。このほかに馴染みがあるのものでは藤の木がうす紫色の花を咲かせ初めているのが印象的。 石や煉瓦で褐色系の素材が多い遺跡だらけの街ローマに新緑が入り込むと、それらはとても鮮やかに見える。毎度ジジくさいが、ほんとうに自然の息吹を肌で感じる今日この頃。4月に入り、日本人観光客は激減したが、春爛漫のローマはこれからが本格的な観光シーズンで11日の復活祭を迎えると一気にホテルは満室になるそうだ。 復活祭とは関係ないが、14日から始まるミラノサローネを観るために先月からホテルの手配をしていたが全く見つからず一時はあきらめていたが、友人を通してマッジョレー湖近くのミラノ郊外に何とか確保出来た。ミラノ中央までは1時間ほどかかるが欲張らずに雰囲気だけでも味わうつもりで出かけるつもり。豆蔵も一緒なので、結果的に郊外で遊ぶのもアリということで・・。臨機応変に。 |
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Mercati Traianei | 2004年04月01日(木) |
"Fotografia Festival Internazionale di Roma"オープニングパーティー。大規模な現代写真展で、毎年会場を変え開かれている企画。今年は古代ローマ遺跡空間をギャラリーにした"Mercati Traianei"で。この場所はローマ市内でも好きな展示空間で、古代ローマの市場だった場所。遺跡自体がデパートのようにブースが仕切られた作りになっていて、煤けた石の質感はそのままに現代の作品が並ぶコントラストはなかなか興味深い。Olivo Barbieri 氏の作品は映画用フィルムに俯瞰で撮ったローマの代表的な風景をまるでジオラマ模型のように見せる作品で創作意欲を掻き立てる刺激を受けた。映写機による動画の公開は今夜のみ。会場には多くのVIP(たぶん)が訪れ、テレビカメラも入って企画が大きいことを感じさせる。写真の技術や歴史も垣間見ることが出来る展覧会になっていた。人が多すぎてゆっくり観賞出来なかったので、期間中もう一度観たい企画。m&mの取材に紛れての入場に感謝。 |
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Civita di Bagnoregio | 2004年03月31日(水) |
テルミニ駅8:47発インターシティーで"ORVIETO"へ1時間。切り立った岩の上に広がる街区へはケーブルカーで。まずはYUKIEオススメのDuomoを見学。直線的なデザインの建築と正面のモザイクが目を惹く。建物の側面は白黒の石材が交互に積み上げられ一面水平のストライプ模様になっている。中世の教会としてはとてもシンプルでモダン。内部も同じストライプで簡潔な印象。素材感の大切さを改めて感じさせられた。資生堂パーラー宝塚はこの教会のストライプに影響を受けて造られたとか・・。 ORVIETOからさらにバスで"Bagnoregio"まで。目的地は"Civita di Bagnoregio" 。谷間に立ち上がった塔の様な岩壁の上に造られた街で、浸食で周囲が崩れ続けている「死にゆく街」。現在人口はわずかに20人。周辺の谷間に霧が立ちこめた風景はまさに「天空の城」。崖に面した住居の外は谷底まで垂直に近い角度で岩肌が続く。高所は苦手で身を乗り出して覗き込むことが出来なかったが、崩れた形跡は至る所に見られた。もしここに地震が起こったら一発で崩壊するだろうハ。 あいにくの雨で傘をさして歩く1日だったので、機会があったら空のコンディションが良いときにもう一度訪れたい。 |
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MAXXI | 2004年03月30日(火) |
昨日、ミラノからローマに到着した挿絵画家の川原さんと国立近代美術館を見学。先日紹介されたカルメンを訪ね、公開終了の空間も見ることが出来た。ここはローマで数少ない1960年代以降から現在のアートを見ることが出来る場所の1つ。常設作品は充実しているが、詰め込みすぎで展示空間が雑然として見えるところが残念。 YUKIEさんと合流し Via Flaminia の"Tosetti Annamaria"で昼食後、解散。アパートに戻り、配布用簡易リーフレット制作。 カルメンの紹介で20:00 Flaminio の"MAXXI" 美術館のレセプションへ。現在は広い敷地に倉庫を改装したギャラリーのみだが、2006年に向けて大規模な現代美術館を建設中で、近くには"Auditorium"や"Stadio Olimpico"があり、これからが楽しみなエリア。イスラム音楽風の生演奏付きで会場は盛況。一応、リーフレットを持ち歩き挨拶代わりに配り歩く。 Vale del Vignola から Via G.B.Tiepolo に入り、イイ感じに狭いトラットリアで夕食。ここも面白い場所で、同じ敷地に工場を改装した小さな劇場と映画館、スポーツジムがある。通りからは確認しづらいので一見では辿り着けないだろう。外観は薄汚れた倉庫にしか見えないところもそそるところ。 早めに引き上げるつもりがまた・・。 |
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かわちゃん到着 | 2004年03月29日(月) |
川原真由美氏がミラノ経由でローマに到着した。彼女はフリーでグラフィックやイラストの仕事をしているクリエーター。テルミニ駅に豆蔵と共に出迎えた我々の前にひょうひょうとした表情で現れた。今回のイタリア旅行はミラノから入りローマやフィレンツェを含めおおまかに3都市を軸に取材を兼ねて進展中。ミラノではイギリス留学中の友人宅に滞在しながらシャモニーでスキーまでするという羨ましい旅程。ローマ滞在中もさらにフィレンツェへ友人を訪ねて行く予定を持っている。 川原氏が大事そうに抱えている旅の周辺を描いたスケッチブックは白い表紙が薄汚れて既に時間の経過を感じさせる。その「本」はやや歪んだ独特の線でページを埋められ、ここまで会った人や食べたものを中心に彼女が感じた旅のポイントを記録している。 この「描画本」は4月末から青山で開かれる展覧会に今回の旅で描き綴った内容で構成し出品される予定。 今日から7日間YUKIE/B&Bに宿泊しローマとフィレンツェを描き、さらにページを増やしたこの描画本がどのような形にまとまるかが楽しみだ。 |
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夏時間へ | 2004年03月28日(日) |
今日から夏時間(Ora Legale)。時計を1時間進ませた。同じ北半球にある日本でも春分を境に夏至までの間しだいに日が昇る時間は早くなり日が沈む時間は遅くなる。日本には夏時間の設定は無いが、欧州国では夏冬1時間の時差を設定している。ローマの夏は夜9時頃まで夕方のように明るいそうだ。なるほど明るい時間が長いから昼休みが長いのも夕食をとる時間が遅いのも納得できる。どういう因果関係かは不明だが、夏時間を設定すると相当の省エネルギーになるらしい。今朝の9時は昨日までの朝8時だったのだが、早起きした感覚もなく通常の朝をむかえ、PowerBookの時間設定が自動的に1時間進んでいたことに感激。最近、時計を気にする生活をしていないためか、この1時間はあまり体に影響しないようだ。 そして今日は「ローマ・マラソン」の日でもある。一般参加を含めて5万人以上が市内に設けたコースを走ったそうだ。我々はマラソンには縁が無く、ただ傍観するのみ。走っているのはトップだけであとはハイキングの様相。犬にゼッケンを付けて走る(歩く)姿も見かけた。 午後、メトロB線"Basilica S. Paolo"駅まで教会見学へ。ここにある"San Paolo Fuori le Mura"は"Basilica di San Pietoro"が出来る前に法王が居た教会で、建築配置もSan Pietoroと似た形態をしている。華やかさは無いが石材を主とした渋い色調と重厚な造りには心惹かれた。中庭とそれを囲む回廊との境に並ぶ柱の形状は一本ずつデザインが違い施されたモザイクもきれいで興味深い空間だった。 20:00自宅で夕食。外は夕暮れ。 今日から日本との時差は7時間。冬時間への移行は半年後の9月。 |
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マッシモ再び | 2004年03月27日(土) |
日本では桜が満開の週末。ローマも温暖な気候が続き草木の芽吹きは勢いを増している。 道行く犬連れも多く見かけるようになって、我々も少し足を延ばして"Circo Massimo"まで一家で散歩。ローマに来た当時はメトロに乗ってわざわざ行ったことがあるが、引っ越後は徒歩圏になってちょうど良い散歩コース。長円形の特大競技場遺跡はグランドをすり鉢状にした形を残すのみで今はそのランドスケープがそのまま草原のようになっている。緑に覆われたグランドはジョギングに最適だが犬の運動にも打ってつけで、豆蔵の他にも数頭の犬が走り回っていた。シェパードが全力で走る姿は豪快。どんなに走っても遠くには離れられないマルチーズ。ここでも柴犬は珍しがられ、「犬なのか?」と確かめる人もいるほど。ちょっと優越感。ちょっと面倒。 「ローマにも桜はある」と聞いているが見あたらない。毎年関心する桜花の力強さは今春見ることが出来ないかもしれない。探してみるか・・。 夜、"Trattoria Romana"でTBSの八木プロデューサーとそのご家族、そしてm&mメンバーで総勢11人の食事会。食べ過ぎ。 |
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ROMA | 2004年03月25日(木) |
日常ではない日常に戻る。 ローマ滞在ですら長いバカンスのような脳天気な日常。 とりあえず旅の片付け。 伸びた髪の手入れは明日に回し、衣類洗濯と豆蔵のシャンプー。 洗濯は"Punto Blu"に任せ、小汚い豆蔵は自分で念入りに。 食料の買い出しは"Vittorio市場"まで出かけた。 ここにはイタリア料理には使わないネギや大根、白菜まであり、妻はこれらを購入。市場は新鮮で値段も安い。活気もあって見るだけで嬉しくなる。 市場の向かいにあるインド料理店"Taste of India"は安くて美味い大衆食堂。 以前、たまたま見かけて入ったのがきっかけだったが、わざわざカレーを食べに行くほどになった。スパイスが効いた味付けは通(?)好みで、インド人が手で食べてたりするのも見かける。カレーの具はそれぞれにサフランライスを合わせるのが最高。 イタリア料理に飽きたとき、中華料理とともにインド料理にも救われている。 食も人を幸せにする。 インドも行ってみたいなー。 |
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Reggio di Calabria〜Roma | 2004年03月24日(水) |
晴れ。昨日の雨で洗われた空は澄み渡り、対岸のシチリア島がはっきり確認出来る。雲は多いが切れ間から差し込む日射しで心地よい暖かさ。午前中の散歩は昨日の借りを返すかたちで心ゆくまで時間をかけた。同じ場所でも晴れと雨ではこうも違うものかと思わされるほど天候は気持ちを変える。天気がいいので"Salerno"か"Napoli"あたりでもう一泊とも考えたが、週間予報は雨。好天のうちにローマに戻った方が旅の締めくくりとしては気持ちがいいと判断し、ローマまでの切符を購入。 次第に増える雲。晴れと曇りを交互に見ながら西海岸沿いに北へ向かう。"Inter City"で約6時間の予定が、途中駅の架線トラブル他で結果的に9時間近くかかって帰宅。豆蔵もあきらめが良くなり、おとなしく過ごしてくれた。 シーズン前の南イタリア周遊はダイジェスト番に終わったが、機会をみて海遊びが出来る季節に"Taormina"あたりに場所を絞って長期滞在してみたい。季節に恵まれたのは鉄道で走った"Catania"から"Palermo"間の緑と花に覆われた丘陵地帯。この歳になってあまり大げさに感動することは無くなったが、本当に夢のような風景だった。 宿泊の予定も立てず泊まったホテルは55〜150Euro。犬連れにも寛容で、断られたホテルは2つ。限られた条件があることで、そのやりとりが逆に楽しめたような気がした。 是非、アメリカでも移動を楽しむ旅を計画しよう。 南に比べるとローマは寒い。Termini 駅から歩いてアパートまで帰り、荷物を置いて中華料理店に出かけた。 |
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